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《腰部脊柱管狭窄症》

●腰部脊柱管狭窄症とは?

 先天的な要素(椎弓根部の未発達など)、退行性変性(老化)、椎間板ヘルニア、脊椎すべり症などにより、またはそれらが合併することによって、背骨の脊髄が入るスペースである脊柱管が狭められた状態です。

脊柱管狭窄の図

 症状は、腰痛、臀部痛、下肢の痛みで進行すると神経性跛行(神経が刺激されることにより間欠的に足の痛みで歩けなくなり、少し腰掛けたり、前かがみになったりすることで症状が改善し歩けるようになる状態)が現われる。
 跛行は下肢の動脈の血流障害でも起こることからこれらの鑑別が重要である。

【鑑別法】

★痛みを誘発する姿勢・動作
神経性−歩行、立位、腰をそる
血流障害−歩行のような足を使う運動。姿勢では変化なし

★痛みを鎮める要素
神経性−前かがみ、座る、うずくまる
血流障害−安静

★痛みの種類
神経性−灼熱感、ひりひり痛む、無感覚
血流障害−痙攣様の痛み。実際に痙攣する場合あり

★痛む場所
神経性−腰部、臀部、下肢
血流障害−腰部や臀部は稀

★知覚異常
神経性−伴う場合が多い
血流障害−稀

★鼠径部、膝窩部 足背部の動脈の拍動*
神経性−すべて左右差なし
血流障害−いずれかの患側の拍動が減弱もしくは消失

* 動脈の触診ポイント
  鼠径部の大腿動脈
  膝裏の膝窩動脈
  足の甲の足背動脈




 生まれつき椎弓根部(椎骨の左右の神経が出るところにあたる部分)の発育不全がある場合や、椎間板ヘルニアが脊柱管を占拠している場合などを除いて、加齢による変性によって起こるとされています。

 ただ椎間板ヘルニア同様、症状と画像診断による臨床像が一致しない場合も少なくありません。60歳以上では症状のない健常者の2割にMRIによる脊柱管狭窄所見が見られるというリサーチも出ています。

 保存療法で緩解することが多いのですが、神経への侵襲が大きい場合は手術による脊柱管の拡大を行う場合もあります。

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